土質記号「Ac」とは?沖積粘性土層の意味や地盤の特徴を解説

地層断面図に記載される「Ac」は、一般に沖積粘性土層を表す土質記号です。

土質記号は、1文字目で地質年代、2文字目で土質を表すことが多く、Aは沖積層、Cは粘性土層を意味します。

ただし、宅地造成では地層を簡略化して表記することがあり、腐植土を含む軟弱層もAcとして整理される場合があります。

腐植土を含む地盤はセメント系固化材による地盤改良で強度が出にくいことがあるため、地層記号だけでなく、ボーリング柱状図の土質名や記事欄まで確認することが重要です。

本記事では、土質記号Acの意味や読み方、宅地で使われる主な土質記号、Ac層の特徴や地盤改良での注意点を解説します。

目次
  1. 土質記号「Ac」とは
    1. Acは沖積粘性土層を表す
    2. 宅地造成では腐植土を含む層もAcとされることがある
  2. 土質記号の読み方
    1. 1文字目は地質年代を表す
    2. 2文字目は土質を表す
    3. Bやdtなどの例外もある
  3. 宅地で使われる主な土質記号の意味
  4. Ac層の地盤としての特徴
    1. 軟弱で圧密沈下が生じやすい
    2. 支持力が小さい場合がある
    3. Dが付く洪積層が支持層の目安になる
  5. Ac層に腐植土が含まれる場合の注意点
    1. セメント系固化材で強度が出にくい
    2. 土質記号だけでなく柱状図の記事まで確認する
    3. 必要に応じて配合試験を行う
  6. 土質記号は地質調査報告書の凡例を確認する
  7. よくある質問
    1. 土質記号のAcは何を意味しますか?
    2. Ac層はすべて軟弱地盤ですか?
    3. 腐植土がAcと表記されることはありますか?
    4. Dが付く地層は支持層ですか?
    5. 公共土木でも同じ土質記号を使いますか?
  8. まとめ
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土質 太郎

建設コンサルタントに長年従事しており、宅地造成の地盤分野に特化した情報を発信しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士

土質記号「Ac」とは

地層断面図に記載される「Ac」は、一般に沖積粘性土層を表す土質記号です。

宅地造成では、地層の年代と土質を組み合わせて表記することが多く、Acは軟弱な粘土やシルトを主体とする地層として扱われます。

ただし、Acと記載されていても、土質や強度がすべて同じとは限りません。

層厚やN値、含水状態、腐植物の混入状況などを、地層断面図やボーリング柱状図から確認する必要があります。

Acは沖積粘性土層を表す

Acの「A」は沖積層、「c」は粘性土層を表します。

沖積層は、比較的新しい時代に河川や海などの作用によって堆積した地層です。

そのうち、粘土やシルトを主体とする地層が沖積粘性土層に分類されます。

Ac層は軟らかく、N値が低い場合(概ね5未満)は、建物や盛土の荷重による圧密沈下に注意が必要です。

地盤改良や杭基礎を検討する場合も、Ac層の厚さや、その下に分布する支持層までの深さが重要になります。

宅地造成では腐植土を含む層もAcとされることがある

落ち葉などが分解されて腐植土層になる。固化材で強度が出にくいため注意が必要。

腐植土層はPtなどの記号で区分される場合もあります。

しかし、宅地造成の地層断面図では、腐植土を含む軟弱な粘性土層がAcとしてまとめられることがあります。

腐植土は有機物を多く含むため、セメント系固化材を使用しても改良強度が出にくいことがあります。

そのため、地層断面図にAcと記載されている場合でも、記号だけで土質を決めつけるのは適切ではありません。

ボーリング柱状図の土質名、色調、混入物、記事欄まで確認し、腐植土の有無を把握することが重要です。

腐植土が確認された場合は、必要に応じて室内配合試験を行い、固化材の種類や添加量を設定します。

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土質記号の読み方

地層断面図で使われる土質記号は、1文字目で地質年代、2文字目で土質を表すのが一般的です。

たとえば、Acは沖積層を表す「A」と、粘性土層を表す「c」を組み合わせた記号です。

この基本的な読み方を覚えておくと、AsやDc、Dgなどの意味も把握しやすくなります。

1文字目は地質年代を表す

土質記号の1文字目に使われる「A」と「D」は、地質年代を表します。

記号意味
A沖積層
D洪積層

沖積層は比較的新しい時代に堆積した地層で、軟弱な粘性土層や緩い砂質土層を含むことがあります。

一方、洪積層は沖積層よりも古く、長期間の荷重を受けて締まっている傾向があります。

そのため、宅地造成ではDが付く洪積層が、支持層を探す際の目安となります。

ただし、Dが付いているだけで支持層と決めることはできません。

N値、土質、層厚、地層の連続性などを確認したうえで、支持層として利用できるかを検討します。

2文字目は土質を表す

2文字目に使われる「c」「s」「g」は、地層を構成する主な土質を表します。

記号意味
c粘性土層
s砂質土層
g礫質土層

地質年代と土質を組み合わせることで、Acは沖積粘性土層、Asは沖積砂質土層、Dgは洪積礫質土層と読み取れます。

ただし、実際の地盤は粘土、シルト、砂、礫が混在しており、記号だけですべての土質を把握できるわけではありません。

地層の詳しい状態は、ボーリング柱状図の土質名や記事欄、標準貫入試験の結果と併せて確認します。

Bやdtなどの例外もある

地層断面図に使われる記号が、すべて地質年代と土質の組み合わせで表されるわけではありません。

一般的に盛土層は「B」、表層付近の堆積物を「dt」などで表します。

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宅地で使われる主な土質記号の意味

地層断面図では、地質年代と土質を組み合わせた記号が主に使われます。

宅地造成で用いられる代表的な土質記号と意味は、次のとおりです。

記号一般的な意味地盤の特徴
Ac沖積粘性土層軟弱な粘土やシルトを主体とする
As沖積砂質土層緩い砂質土を主体とする
Ag沖積礫質土層砂や礫を主体とする比較的新しい地層
Dc洪積粘性土層締まった粘性土層
Ds洪積砂質土層締まった砂質土層
Dg洪積礫質土層締まった礫質土層
B盛土層人為的に土を盛って形成された地層
dt表土など地表付近に分布する土層

Aが付く沖積層は比較的新しい地層であり、軟弱な粘性土層や緩い砂質土層が分布します。

一方、Dが付く洪積層は沖積層より古く、宅地造成では基本的に支持層とみなします。

ただし、支持層として採用する際は、地層の連続性、N値、層厚、傾斜を確認する必要があります。

支持層が途中で途切れている場合や、急傾斜している場合、局所的に薄くなっている場合は、基礎や地盤改良の設計に影響します。

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Ac層の地盤としての特徴

Ac層は、河川や海などの作用によって堆積した沖積粘性土層です。

粘土やシルトを主体とし、含水比が高く、軟弱な地盤を形成します。

宅地造成では、盛土や擁壁、建築物の荷重による沈下や支持力不足に注意が必要です。

軟弱で圧密沈下が生じやすい

Ac層は土粒子の間に多くの水を含んでおり、荷重を受けると間隙水が徐々に排出されます。

この過程で土の体積が減少し、長期間にわたって圧密沈下が進行します。

特に、厚いAc層の上に盛土を施工すると、盛土完成後も沈下が続くため注意が必要です。

沈下量だけでなく、沈下に要する期間や不同沈下についても検討しなければなりません。

支持力が小さい場合がある

Ac層は含水比が高く、せん断強度が小さいため、構造物を直接支持できない場合があります。

軟弱なAc層に盛土や擁壁の荷重を作用させると、沈下だけでなく、円弧すべりや側方変位が発生するおそれもあります。

Ac層を含む地盤に構造物を計画する場合は、N値や一軸圧縮強さ、粘着力、層厚などを確認します。

必要な支持力や安定性を確保できない場合は、地盤改良や杭基礎などの対策が必要です。

Dが付く洪積層が支持層の目安になる

宅地造成では、DcやDs、Dgなど、Dが付く洪積層を基本的に支持層とみなします。

洪積層は沖積層より古く、長期間にわたって締め固められているため、Ac層より高い支持力を確保できます。

ただし、支持層として採用する際は、地層の連続性、N値、層厚、傾斜を確認する必要があります。

支持層が急傾斜している場合や途中で途切れている場合は、基礎や地盤改良の施工深度が場所によって変わります。

地層断面図だけでなく、各調査地点のボーリング柱状図まで確認し、支持層の分布を立体的に把握することが重要です。

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Ac層に腐植土が含まれる場合の注意点

宅地造成の地層断面図では、腐植土を含む軟弱な粘性土層もAcとしてまとめられることがあります。

腐植土の有無は、地盤改良の可否や固化材の添加量に影響するため、Acという土質記号だけで地盤の性質を決めてはいけません。

ボーリング柱状図の土質名や記事欄まで確認し、必要に応じて室内配合試験を行います。

セメント系固化材で強度が出にくい

腐植土は、植物などが分解して形成された有機物を多く含む土です。

有機物はセメント系固化材の水和反応を阻害するため、一般的な粘性土と同じ添加量では必要な改良強度を確保できません。

固化材を増量しても十分な強度が得られない場合があり、改良体の強度不足やばらつきにつながります。

腐植土を含むAc層を柱状改良や浅層混合処理の対象とする場合は、腐植土の含有状況を事前に把握する必要があります。

土質記号だけでなく柱状図の記事まで確認する

地層断面図のAcは、沖積粘性土層をまとめて示した記号です。

同じAc層の中でも、粘土やシルトを主体とする部分と、腐植土を多く含む部分では、地盤改良後の強度が異なります。

腐植土を含む地層は、ボーリング柱状図の記事欄に「腐植物混じり」「有機質土」「植物片を含む」などと記載されます。

土質名、色調、臭気、混入物などの記載にも目を通し、腐植土が分布する深度と層厚を確認しましょう。

必要に応じて配合試験を行う

腐植土を含む地盤では、設計時に想定した固化材の種類や添加量で、必要な改良強度を確保できるとは限りません。

室内配合試験では、現地から採取した土と固化材を混合し、所定の材齢における一軸圧縮強さを確認します。

試験結果をもとに、固化材の種類や添加量を設定し、改良工法を採用できるか検討します。

必要な強度を確保できない場合は、固化材の変更だけでなく、改良形式や基礎形式の見直しも必要です。

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土質記号は地質調査報告書の凡例を確認する

AcやDcなどの土質記号は、宅地造成の地層断面図で広く使われています。

ただし、記号の付け方が全国で完全に統一されているわけではありません。

同じ記号でも、調査会社や業務の目的によって分類方法や対象範囲が異なります。

たとえば、腐植土をPtとして区分する場合もあれば、宅地造成では沖積粘性土層のAcに含めて整理する場合もあります。

Bやdtなどの記号についても、報告書によって定義が異なるため注意が必要です。

地層断面図を見る際は、記号だけを自分の知識で読み取るのではなく、地質調査報告書に記載された凡例を確認してください。

さらに、地層の強度や改良の可否を検討する場合は、ボーリング柱状図の土質名、記事欄、N値、試料採取結果なども併せて確認します。

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よくある質問

土質記号のAcは何を意味しますか?

Acは、沖積粘性土層を表す土質記号です。

1文字目の「A」は沖積層、2文字目の「c」は粘性土層を表します。

宅地造成の地層断面図では、粘土やシルトを主体とする比較的新しい地層として整理されます。

Ac層はすべて軟弱地盤ですか?

Ac層は、軟弱な粘性土層として扱うのが基本です。

ただし、同じAc層でもN値、含水比、粘着力、層厚などは異なります。

地盤の強度や沈下の程度は、土質記号だけでなく、ボーリング柱状図や土質試験結果から確認します。

腐植土がAcと表記されることはありますか?

宅地造成では、腐植土を含む軟弱な粘性土層がAcとしてまとめられることがあります。

腐植土層をPtと表記する方法もありますが、宅地造成の地層断面図でPtが使われることは稀です。

腐植土はセメント系固化材で強度が出にくいため、ボーリング柱状図の土質名や記事欄まで確認する必要があります。

Dが付く地層は支持層ですか?

宅地造成では、Dc、Ds、DgなどのDが付く洪積層を基本的に支持層とみなします。

ただし、支持層として採用する際は、N値、層厚、連続性、傾斜などの確認が必要です。

支持層が途中で途切れている場合や急傾斜している場合は、基礎や地盤改良の設計に影響します。

公共土木でも同じ土質記号を使いますか?

公共土木でもAcやDcなどの記号は使われます。

ただし、大規模な公共土木では、地質年代、堆積環境、成因、岩種などを踏まえて、宅地造成よりも細かく地層を分類します。

同じ記号でも報告書によって定義が異なるため、必ず地質調査報告書の凡例を確認してください。

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まとめ

Acは、層断面図で沖積粘性土層を表す記号です。

軟弱地盤として扱うのが基本ですが、腐植土を含む場合は地盤改良の強度が出にくくなります。

Acの表記だけで地盤を評価せず、地質調査報告書の凡例やボーリング柱状図まで確認しましょう。

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