「盛土と埋戻しは何が違うの?」
土木工事や宅地造成ではどちらも土を扱う工事のため、違いが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、盛土と埋戻しでは工事の目的が異なります。
また、施工される場所や完成後に果たす役割も異なるため、設計や施工では明確に使い分けられています。
この記事では、盛土と埋戻しの違いを比較表で分かりやすく整理したうえで、それぞれの特徴や共通して重要となる施工上のポイントを技術者向けに解説します。
盛土と埋戻しの違い

盛土と埋戻しは、どちらも土を用いる工事ですが、工事の目的が異なります。
盛土は地盤面を高くするために土を盛る工事であるのに対し、埋戻しは掘削によってできた空間を埋め戻す工事です。
どちらも十分な締固めが必要ですが、施工される場所や果たす役割は異なります。
まずは、それぞれの特徴を確認しましょう。
盛土とは
盛土とは、地盤面を計画高さまで高くするために土を盛る工事です。
宅地造成では、傾斜地や谷部を造成して平坦な宅地を確保するために盛土が行われます。
また、道路や鉄道の築堤、河川堤防などでも広く採用されています。
盛土は完成後に構造物や地盤を支えるため、適切な材料の選定や十分な締固めによって、長期的な安定性を確保することが重要です。
埋戻しとは
埋戻しとは、掘削した場所を土や砕石などで埋め戻す工事です。
建物の基礎や擁壁、側溝、上下水道管などを施工した後は、その周囲に空間が残るため、埋戻しを行って地盤を復旧します。
埋戻しでは、施工後の沈下や構造物への影響を抑えるため、適切な材料を使用し、十分に締め固めながら施工することが重要です。
盛土と埋戻しの比較表
| 比較項目 | 盛土 | 埋戻し |
|---|---|---|
| 主な目的 | 地盤面を高くする | 掘削した空間を埋める |
| 施工場所 | 宅地造成、道路、堤防など | 基礎、擁壁、配管、側溝周辺など |
| 地盤面 | 高くなる | 元の地盤に戻すことが多い |
| 主な役割 | 新たな地盤を造成する | 掘削部を復旧する |
| 締固め | 必要 | 必要 |
このように、盛土と埋戻しは土を扱う工事という点では共通していますが、「地盤を新たに造成する工事」か「掘削部を復旧する工事」かという目的に大きな違いがあります。
盛土・埋戻しで共通して重要なポイント

盛土と埋戻しは施工目的こそ異なりますが、どちらも地盤の安定性を確保するために共通して重要となるポイントがあります。
特に、締固め不足や排水不良は、不同沈下や地盤の変形、法面の崩壊などにつながる原因となるため、施工時には十分な配慮が必要です。
適切な締固め管理
盛土・埋戻しともに、施工後の沈下や地盤の変形を防ぐため、適切な締固め管理が欠かせません。
一度に厚く施工すると締固めが不十分になりやすいため、一定の層厚ごとに敷き均し、締固めを繰り返しながら施工します。
また、現場では締固め度試験などによって品質を確認し、設計で求められる性能を満たしていることを確認します。
排水対策
土は水分を多く含むと強度が低下しやすくなるため、盛土・埋戻しともに排水対策が重要です。
特に盛土では、雨水が盛土内へ浸透すると間隙水圧の上昇によって安定性が低下し、法面崩壊の原因となることがあります。
また、埋戻しでも水が滞留すると沈下や構造物への影響を招くおそれがあるため、必要に応じて排水材や排水管を設置し、水が滞留しにくい構造とすることが大切です。
よくある質問

盛土と埋戻しは同じ意味ですか?
いいえ、同じ意味ではありません。
盛土は地盤面を高くする工事であり、埋戻しは掘削した空間を埋める工事です。
どちらも土を用いる工事ですが、施工目的が異なるため、設計図書や施工計画では明確に区別されています。
宅地造成ではどちらが使われますか?
宅地造成では、盛土と埋戻しの両方が使われます。
例えば、傾斜地や谷部を造成して宅地を築く場合は盛土が行われます。
一方、擁壁や排水施設などを施工した後は、その周囲を埋め戻して地盤を復旧します。
同じ工事の中でも、施工箇所や目的に応じて使い分けられています。
盛土規制法では埋戻しも対象になりますか?
いいえ、一般的な埋戻し工事は盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の対象ではありません。
盛土規制法は、一定規模以上の盛土や切土、土石の堆積などを規制対象としています。
埋戻しは掘削した箇所を復旧する工事であり、通常は盛土規制法における規制対象には含まれません。
まとめ

盛土と埋戻しは、どちらも土を用いる工事ですが、施工目的が大きく異なります。
盛土は地盤面を高くして新たな地盤を造成する工事であり、埋戻しは掘削した空間を埋めて地盤を復旧する工事です。
また、どちらの工事でも十分な締固め管理と排水対策が、地盤の安定性や施工品質を確保するうえで重要となります。
工事内容を正しく理解することで、設計図書や施工計画の内容も把握しやすくなります。
盛土と埋戻しの違いを理解し、適切に使い分けましょう。
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