液状化現象の対策は個人でできる?住宅購入前と居住中にできる備えを解説

液状化現象は、大きな地震の際に建物の沈下や傾き、道路の陥没などを引き起こすおそれがある現象です。

「個人でできる液状化対策はあるの?」「土地を購入する前に確認しておくことは?」「自宅が液状化したらどうすればいい?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

結論から申しますと、液状化そのものを個人で防ぐことは難しいものの、土地選びや新築時の地盤対策、日頃の防災対策など、被害を軽減するためにできることは数多くあります。

この記事では、個人で実践できる液状化対策を「土地購入・新築前」「居住中」「液状化発生後」の3つの場面に分けて、土木設計の実務経験をもとに分かりやすく解説します。

目次
  1. 液状化現象は個人だけで防ぐことは難しい
    1. 液状化は地盤の性質によって発生する
    2. 地盤改良などは専門的な対策が必要
  2. 土地購入・新築前にできる液状化対策
    1. 液状化ハザードマップを確認する
    2. 地盤調査の結果を確認する
    3. 必要に応じて地盤改良を検討する
    4. 液状化リスクも含めて土地を選ぶ
  3. 居住中に個人でできる液状化対策
    1. 家具を固定して室内でのけがを防ぐ
    2. 避難場所や避難ルートを確認する
    3. 非常用持ち出し袋や備蓄品を準備する
    4. 地震保険への加入を検討する
  4. 液状化が発生した後の対応
    1. 陥没や隆起した道路に近づかない
    2. 建物の安全性を確認する
    3. 戸建て住宅は修正工事で改善できる場合がある
  5. よくある質問
    1. 液状化対策は個人でもできますか?
    2. 地盤改良は必ず必要ですか?
    3. 液状化した家は修理できますか?
  6. まとめ
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土質 太郎

建設コンサルタントに長年従事しており、宅地造成の地盤分野に特化した情報を発信しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士

液状化現象は個人だけで防ぐことは難しい

液状化現象は、地下水位が高く緩い砂地盤など、地盤の条件によって発生します。そのため、家具の固定や備蓄などの防災対策は重要ですが、液状化そのものを個人の力だけで防ぐことはできません。

ただし、土地購入時の確認や新築時の地盤対策、日頃からの防災対策によって、液状化による被害を軽減できる可能性があります。

液状化は地盤の性質によって発生する

液状化は、地震の揺れによって地下の砂粒同士のかみ合わせが崩れ、地盤が液体のような状態になる現象です。

発生しやすさは地盤の種類や地下水位などの条件に左右されるため、同じ地域でも場所によって液状化リスクが異なる場合があります。そのため、個人が日常生活の中で液状化の発生を防ぐことは現実的ではありません。

地盤改良などは専門的な対策が必要

液状化を抑制するには、地盤改良や締固めなどの専門的な工法が用いられます。これらは地盤調査の結果をもとに設計・施工する必要があり、個人で実施できるものではありません。

一方で、土地を購入する際に液状化リスクを確認したり、新築時に必要な地盤対策を検討したりすることは、個人でもできる重要な対策です。また、家具の固定や備蓄などの防災対策を行うことで、液状化が発生した際の被害を軽減し、自分や家族の安全を守ることにつながります。

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土地購入・新築前にできる液状化対策

土地を購入した後や住宅を建てた後では、液状化対策の選択肢が限られます。そのため、液状化対策は「建てる前」が最も重要です。

土地選びや住宅の計画段階で液状化リスクを確認し、必要に応じて適切な対策を講じることで、将来的な被害を軽減できる可能性があります。

液状化ハザードマップを確認する

土地を購入する前に、自治体が公表している液状化ハザードマップを確認しましょう。

ハザードマップでは、過去の地形や地盤データなどをもとに液状化の可能性が示されています。リスクの高いエリアを事前に把握できるため、土地選びの重要な判断材料になります。

ただし、ハザードマップは一定の条件をもとに作成された想定図であり、実際の被害を保証するものではありません。あくまで目安として活用し、ほかの地盤情報とあわせて判断することが大切です。

地盤調査の結果を確認する

新築住宅では、建物を安全に支えるために地盤調査が行われるのが一般的です。

地盤調査では、地盤の強さだけでなく、地層の構成や地下水位なども確認できるため、液状化リスクを検討する際の参考になります。

調査結果に液状化の可能性が示された場合は、住宅会社や地盤の専門業者と相談し、必要な対策を検討しましょう。

必要に応じて地盤改良を検討する

地盤調査の結果、液状化リスクが高いと判断された場合は、地盤改良を実施することがあります。

地盤改良にはさまざまな工法があり、地盤の状態や建物の規模などを踏まえて適切な方法が選定されます。すべての土地で必要になるわけではないため、調査結果に基づいて判断することが重要です。

液状化リスクも含めて土地を選ぶ

土地を選ぶ際は、価格や立地だけでなく、液状化リスクにも目を向けることが大切です。

例えば、埋立地や旧河道、海や川に近い地域などは、一般的に液状化が発生しやすい傾向があります。一方で、同じ地域内でも地盤条件によってリスクは異なるため、地形や地盤情報を総合的に確認することが重要です。

購入前にハザードマップや地盤調査の結果を確認し、将来的な災害リスクも考慮したうえで土地を選ぶようにしましょう。

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居住中に個人でできる液状化対策

住宅を建てた後は、液状化そのものを防ぐことは困難です。そのため、被害をできるだけ軽減し、自分や家族の命を守るための備えを日頃から行っておくことが重要です。

ここでは、居住中に個人で実践できる主な液状化対策を紹介します。

家具を固定して室内でのけがを防ぐ

地震による家具の転倒は、液状化の有無にかかわらず大きなけがにつながる危険があります。

L字金具や耐震金具などを使用して家具を壁に固定し、寝室や避難経路には転倒しやすい家具をできるだけ置かないようにしましょう。地震発生時に安全に避難できる環境を整えておくことが大切です。

避難場所や避難ルートを確認する

液状化が発生すると、道路の陥没や隆起、マンホールの浮き上がりなどにより、普段利用している道路が通行できなくなる場合があります。

あらかじめ自治体が指定する避難場所を確認するとともに、複数の避難ルートを想定しておくと、状況に応じて安全に避難しやすくなります。

非常用持ち出し袋や備蓄品を準備する

液状化によって上下水道や電気、ガスなどのライフラインが停止することがあります。

飲料水や非常食、携帯トイレ、懐中電灯、ポータブル電源、常備薬などを備蓄しておけば、避難生活や自宅での生活を維持しやすくなります。家族構成に応じて必要な物資を見直し、定期的に使用期限を確認しましょう。

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地震保険への加入を検討する

液状化によって住宅が沈下したり傾いたりした場合、修繕には多額の費用がかかることがあります。

火災保険だけでは地震による被害は補償されないため、万が一に備えて地震保険への加入を検討することも有効な対策の一つです。補償内容や支払条件は契約によって異なるため、事前に内容を確認しておきましょう。

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液状化が発生した後の対応

液状化が発生した直後は、二次災害を防ぐために落ち着いて行動することが重要です。建物や道路は見た目では安全に見えても、地盤が不安定になっている可能性があります。

まずは自分や家族の安全を確保し、被害状況を確認しながら行動しましょう。

陥没や隆起した道路に近づかない

液状化が発生すると、道路の陥没や隆起、マンホールの浮き上がりなどが起こることがあります。

このような場所では転倒や車両の立ち往生などの危険があるため、むやみに近づかず、安全が確認された経路を利用してください。避難する際は、自治体や消防などの情報も確認しながら行動することが大切です。

建物の安全性を確認する

建物が傾いていたり、大きなひび割れが発生していたりする場合は、無理に住み続けないようにしましょう。

目立った損傷がなくても、地盤の沈下によって建物に影響が生じている場合があります。不安がある場合は、建築士や住宅メーカーなどの専門家に点検を依頼し、安全性を確認したうえで生活を再開することが重要です。

戸建て住宅は修正工事で改善できる場合がある

液状化によって戸建て住宅が沈下したり傾いたりしても、被害状況によっては修正工事によって改善できる場合があります。

修正工事では、建物を持ち上げて水平に戻したり、地盤を補強したりする工法が採用されます。ただし、適用できる工法は建物の構造や被害の程度、地盤の状況によって異なるため、まずは専門業者による調査を受けることが大切です。

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よくある質問

液状化対策は個人でもできますか?

個人で液状化そのものを防ぐことは困難ですが、被害を軽減するための対策は可能です。

例えば、土地購入前に液状化ハザードマップを確認したり、新築時に地盤調査の結果を確認したりすることは重要な対策です。

また、居住中は家具の固定や非常用持ち出し袋の準備、避難ルートの確認などを行うことで、自分や家族の安全につながります。

地盤改良は必ず必要ですか?

いいえ、すべての土地で地盤改良が必要になるわけではありません。

地盤改良の必要性は、地盤調査の結果や建物の規模、地盤条件などを総合的に判断して決定されます。

液状化リスクが低い地盤では、地盤改良を行わずに適切な基礎形式で対応できる場合もあります。

液状化した家は修理できますか?

被害状況によっては、修正工事によって改善できる場合があります。

液状化によって建物が沈下したり傾いたりしても、修正工事で建物の傾きを改善できるケースがあります。

ただし、工法は建物の構造や被害の程度、地盤の状態によって異なるため、まずは専門業者による調査を受け、適切な対応を検討することが重要です。

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まとめ

液状化現象は地盤の性質によって発生するため、個人の力だけで完全に防ぐことは困難です。しかし、土地購入前に液状化リスクを確認したり、新築時に適切な地盤対策を検討したりすることで、被害を軽減できる可能性があります。

また、居住中は家具の固定や避難ルートの確認、非常用持ち出し袋や備蓄品の準備など、日頃から防災対策を行うことが大切です。万が一液状化が発生した場合でも、落ち着いて安全を確保し、建物の状態を確認したうえで必要に応じて専門家へ相談しましょう。

液状化対策で最も重要なのは、「被害が発生してから対応する」のではなく、「被害を想定して事前に備えておく」ことです。自分や家族の命、そして大切な住まいを守るためにも、できることから対策を始めてみてください。

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