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擁壁のコンクリート強度は何N/mm²?宅地造成における基準と考え方

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擁壁のコンクリート強度は、18N/mm²・21N/mm²・24N/mm²のどれを採用すればよいのでしょうか。

結論から申しますと、重力式擁壁やもたれ式擁壁などの無筋コンクリート擁壁は18N/mm²鉄筋コンクリート擁壁は21N/mm²で検討しておくと無難です。

鉄筋コンクリート擁壁では24N/mm²を使用してもよい場合もありますが、自治体によっては認めていないこともあります。

もし24N/mm²を使用する場合は、事前に自治体の技術基準を確認してください。

ただし多くの場合、適切な壁厚や底版厚を確保できていれば、コンクリート強度は21N/mm²で十分な場合がほとんどです。

本記事では、宅地造成における擁壁のコンクリート強度と、壁厚や底版厚を決める際の考え方を解説します。

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土質 太郎

建設コンサルタントに長年従事しており、宅地造成の地盤分野に特化した情報を発信しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士

宅地造成における擁壁のコンクリート強度

宅地造成に用いる擁壁のコンクリート強度は、無筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造で異なります。

重力式擁壁やもたれ式擁壁などの無筋コンクリート擁壁では18N/mm²、L型擁壁や逆T型擁壁などの鉄筋コンクリート擁壁では21N/mm²または24N/mm²を使用するのが基本です。

ただし、24N/mm²の使用は認めていない自治体もあります。

よって鉄筋コンクリート擁壁は、21N/mm²で検討しておくと自治体との協議も進めやすくなります。

無筋コンクリート擁壁は18N/mm²が基本

重力式擁壁やもたれ式擁壁など、鉄筋を使用しない擁壁では、コンクリートの設計基準強度を18N/mm²とするのが基本です。

無筋コンクリート擁壁は、コンクリート自体の重量によって土圧に抵抗します。

鉄筋コンクリート擁壁と比べて断面が大きく、コンクリートに生じる圧縮応力度にも余裕を確保しやすいため、一般的な宅地造成では18N/mm²が使用されます。

ただし、自治体の標準構造図や設計条件で異なる強度が指定されている場合は、その基準に従います。

鉄筋コンクリート擁壁は21N/mm²または24N/mm²が基本

L型擁壁や逆T型擁壁などの鉄筋コンクリート擁壁では、設計基準強度として21N/mm²または24N/mm²を使用します。

コンクリートは主に圧縮力を負担し、引張力は鉄筋で負担する構造です。

そのため、コンクリート強度だけを高くしても、擁壁の耐力が大幅に向上するわけではありません。

壁厚や底版厚、鉄筋量、有効高さなどを適切に設定したうえで、構造計算により安全性を確認します。

ただし24N/mm²を認めていない自治体もあるため21N/mm²で計画するのが無難

鉄筋コンクリート擁壁に24N/mm²を使用してもよい場合もありますが、自治体によっては認めていないことがあります。

もし24N/mm²を使用する場合は、構造計算を始める前に自治体の技術基準や標準構造図を確認してください。

24N/mm²を前提に断面を決めた後で21N/mm²への変更を求められると、壁厚や鉄筋量の再検討が必要になる可能性があります。

また、多くの場合適切な壁厚や底版厚を確保できていれば、コンクリート強度は21N/mm²で十分な場合がほとんどです。

特別な理由がなければ、鉄筋コンクリート擁壁は21N/mm²で計画するのが無難です。

擁壁はコンクリート強度より断面寸法が重要

宅地造成に用いる鉄筋コンクリート擁壁では、コンクリート強度を高くすることよりも、適切な壁厚や底版厚を確保することが重要です。

部材厚を十分に確保すれば、コンクリートに発生する圧縮応力度やせん断応力度にも余裕が生まれます。

一般的な規模の擁壁では、壁厚や底版厚を適切に設定することで、設計基準強度21N/mm²でも構造計算を満足する場合がほとんどです。

一方、コンクリート強度を24N/mm²に上げても、壁厚や底版厚を大幅に薄くできるわけではありません。

擁壁の初期断面を決める際は、コンクリート強度だけに頼らず、構造計算や施工性を考慮した部材厚を設定します。

壁厚は擁壁全高の10%以上が目安

壁厚の目安は壁高のH/10以上

鉄筋コンクリート擁壁の壁厚は、擁壁全高の10%以上を目安に設定します。

たとえば、擁壁全高が2.0mの場合は200mm以上、3.0mの場合は300mm以上が壁厚の目安です。

壁厚を確保すると鉄筋の有効高さが大きくなり、曲げやせん断に対して余裕のある断面を計画できます。

ただし、全高の10%は初期断面を設定するための目安です。

最終的な壁厚は、擁壁の高さ、土圧、上載荷重、鉄筋量などを考慮した構造計算によって決定します。

竪壁を一律に厚くできない場合はテーパーを設ける

テーパーを設けて付け根をH/10以上にしても良い

竪壁全体を擁壁全高の10%以上にすると、上部まで必要以上に厚くなる場合があります。

このような場合は竪壁にテーパーを設け、曲げモーメントが大きくなる付け根部分で全高の10%以上を確保します。

テーパーを設けることで、必要な付け根厚を確保しながら、コンクリート量の増加を抑えられます。

一方、天端側は薄くできますが、フェンス支柱の設置や鉄筋のかぶり、コンクリートの施工性を考慮し、最低でも150mm程度の天端厚は確保するようにしましょう。

底版厚は壁厚と同等かやや厚めにする

底版厚は、竪壁の付け根部分の壁厚と同等か、やや厚めに設定するのが基本です。

また、現場打ち擁壁の底版は一定厚とし、テーパーを設けることは厳禁です。

底版にテーパーを設けるとコンクリートが回りにくくなり、ジャンカが発生するリスクが高まるためです。

(原則、底版にテーパーを設けても良いのは品質確保が可能なプレキャスト製品に限られます)

擁壁のコンクリート強度を決める際の注意点

擁壁のコンクリート強度は、構造計算だけで自由に決められるものではありません。

自治体の技術基準や標準構造図で使用できる強度が定められている場合があるため、設計前の確認が必要です。

また、コンクリート強度を高くすれば、壁厚や底版厚を薄くできるとは限りません。

擁壁の断面は、曲げやせん断だけでなく、鉄筋のかぶりや定着、コンクリートの施工性も考慮して決定します。

自治体の技術基準や標準構造図を確認する

宅地造成に用いる擁壁の設計条件は、自治体によって異なります。

鉄筋コンクリート擁壁に24N/mm²を使用できる自治体もあれば、21N/mm²を基本としている自治体もあります。

そのため、24N/mm²で構造計算を行う場合は、設計を進める前に許可権者の技術基準を確認してください。

コンクリート強度を上げて断面不足を補わない

コンクリート強度を21N/mm²から24N/mm²へ上げても、壁厚や底版厚の不足をそのまま補えるわけではありません。

部材厚が不足すると、鉄筋の有効高さを確保できず、曲げやせん断に対して不利になります。

鉄筋のかぶりや定着長、コンクリートの充填性にも影響するため、構造計算上の数値だけで断面を薄くするのは適切ではありません。

設計基準強度と生コンクリートの呼び強度を区別する

設計基準強度は、構造計算でコンクリートに必要とする圧縮強度です。

一方、生コンクリートの呼び強度は、工場へ発注する際に指定する強度を指します。

設計基準強度を21N/mm²とした場合でも、生コンクリートを必ず呼び強度21で発注するとは限りません。

打込み時期の気温や強度補正、工事仕様などによっては、呼び強度24や27を使用する場合があります。

構造計算書に記載する設計基準強度と、施工時に発注する生コンクリートの呼び強度を混同しないように注意しましょう。

よくある質問

無筋コンクリート擁壁は18N/mm²でよいですか?

重力式擁壁やもたれ式擁壁などの無筋コンクリート擁壁では、設計基準強度18N/mm²が基本です。

ただし、自治体の技術基準や標準構造図で異なる強度が指定されている場合は、その基準に従ってください。

鉄筋コンクリート擁壁は21N/mm²と24N/mm²のどちらですか?

鉄筋コンクリート擁壁では、21N/mm²または24N/mm²を使用します。

ただし、24N/mm²を認めていない自治体もあるため、21N/mm²で検討しておくと無難です。

24N/mm²を使用する場合は、事前に自治体の技術基準を確認してください。

24N/mm²なら壁厚を薄くできますか?

24N/mm²を使用しても、壁厚を自由に薄くできるわけではありません。

壁厚は曲げやせん断だけでなく、鉄筋のかぶりや定着、コンクリートの施工性も考慮して決定します。

適切な部材厚を確保したうえで、構造計算によって安全性を確認してください。

擁壁の壁厚は全高の10%必要ですか?

鉄筋コンクリート擁壁の壁厚は、擁壁全高の10%以上が目安です。

竪壁を一律に厚くすることが難しい場合はテーパーを設け、付け根部分で全高の10%以上を確保します。

ただし、最終的な壁厚は土圧や上載荷重、鉄筋量などを考慮した構造計算によって決定します。

擁壁の底版厚はどのくらい必要ですか?

底版厚は、竪壁の付け根部分の壁厚と同等か、やや厚めにするのが目安です。

底版には地盤反力や底版上の土の重量が作用するため、曲げとせん断に対する検討が必要です。

現場打ち擁壁では、コンクリートの充填性を確保するため、底版は一定厚とします。

まとめ

擁壁のコンクリート強度は、無筋コンクリート擁壁では18N/mm²、鉄筋コンクリート擁壁では21N/mm²または24N/mm²が基本です。

ただし、24N/mm²を認めていない自治体もあるため、鉄筋コンクリート擁壁は21N/mm²で検討しておくと無難です。

適切な壁厚や底版厚を確保していれば、21N/mm²で構造計算を満足する場合がほとんどです。

コンクリート強度だけに頼らず、自治体の技術基準を確認したうえで、施工性も考慮した断面を計画しましょう。

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