擁壁の構造計算を外注に出したら、思った以上に壁が厚くなってしまい、プランニングの見直しが必要になった。
このような経験はありませんか?
これは得てして、プランニング時に壁厚を薄く見積もりすぎているのが原因です。
構造計算をする上で、壁が薄すぎると有効幅が小さくなり、いくら鉄筋を入れても鉄筋の引張応力度が許容値を満足しなくなるからです。
じゃあ、壁厚は何cmで計画すればいいの?と迷われますよね。
そこで本記事では、擁壁の最適な壁厚について解説します。
目次
結論:最適な壁厚は擁壁全高÷10が目安
早速結論ですが、壁厚は擁壁全高(H)÷10が目安です。
具体的には、例えば擁壁全高が3mの場合は、3m ÷ 10 = 0.3m。よって30cmが目安になります。
この状態で計画を立てておけば、構造計算によって壁の厚みに変更が生じることはまずありません。

天端厚に制約がある場合はテーパー(転び)を設けよう
もし天端厚に制約がある場合は、擁壁背面にテーパー(転び)を設け、竪壁のつけ根部分でH÷10の厚みを確保するようにしましょう。

テーパーを設けることでコンクリート量の節約も可能になります。
ただし、壁背面が斜めになることで引張側主鉄筋長がやや伸びることや型枠施工が少し煩雑になることを踏まえると、直壁での計画が基本です。
また、ハンチを設けることも構造的には有効ですが、ハンチ部の厚みを構造計算に入れることを禁止している行政もあるため、テーパーによる対応が無難です。
フェンスを設置する場合は最低でも15cm以上の厚みが必要

擁壁天端に落下防止柵などのフェンスを設ける場合は、最低でも天端部の厚みが15cm必要になります。
よって、1mの擁壁でもフェンスを設ける場合は最低15cm以上の天端厚は確保するようにしましょう。
まとめ

本記事では擁壁竪壁の最適な厚みについて解説しました。
本記事の要点は以下のとおりです。
本記事の要点
- 擁壁竪壁の厚みは擁壁全高÷10が目安
- 天端厚に制約のある場合はテーパーを設けよう
- フェンスを設置する場合は最低15cm必要
以上。本記事の内容がお役に立ちましたら幸いです。
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