【擁壁工】鉄筋の必要かぶり|なぜ芯かぶりを7cmにしている構造計算書が多いのか

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鉄筋のかぶりとは、鉄筋の表面とコンクリートの表面との最小距離のことです。

鉄筋が外気に触れて錆びないようにコンクリートで保護することがかぶりを設ける主な目的です。

かぶりには「純かぶり」「芯かぶり」の2種類があり、鉄筋の表面とコンクリートの表面との距離のことを「純かぶり」、鉄筋中央とコンクリート表面の距離のことを「芯かぶり」と呼びます。

構造計算上は「芯かぶり」を用いることが多く配筋図には純かぶりが記載されることが多いので混同しないように留意しましょう。

目次

鉄筋の必要かぶり厚さ

必要かぶり厚さは各行政の提示している基準の確認が必要ですが、盛土等防災マニュアルには以下のように提示されています。

項目かぶり厚さ
現場打ちプレキャスト
耐力壁以外の壁または床2cm2cm
耐力壁、柱または梁3cm2cm
直接土に接する壁、柱、床もしくははり又は布基礎の立上り部分4cm3cm
基礎(布基礎の立上り部分を除く)にあっては捨てコンクリートの部分を除く6cm4cm
引用元:盛土等防災マニュアルの解説[Ⅰ] p.443/令和6年1月/ぎょうせい

上記を踏まえ、L型擁壁では擁壁の竪壁前面で4cm、その他で6cmの必要かぶり厚を採用されている行政が多いです。

D19までの鉄筋であれば芯かぶりを7cmに設定しておけば純かぶりを6cm以上確保することができるため、構造計算ではかぶりを7cmに設定している場合が多いのです。

なお、この方法はD22以上では成立しないため、注意が必要です。

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本ページに掲載の数値や文言について細心の注意を払って記載はしておりますが、それでも誤植などのリスクがあるため、実設計の際は必ず引用元の基準を参照するようお願いします。

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この記事を書いた人

建設コンサルタントにて土構造物にかかわる設計業務に長年従事しています。

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