擁壁の底面と基礎地盤の摩擦係数について盛土等防災マニュアルには基礎地盤の土質に応じて以下のように示されており、地質調査や土質試験の結果によって決定します。
| 基礎地盤の土質 | 摩擦係数 |
|---|---|
| 岩、岩屑、砂利、砂 | 0.50 |
| 砂質土 | 0.40 |
| シルト、粘土、又はそれを多量に含む土 | 0.30 |
しかし、地盤改良後の地盤は性状が変化するため、摩擦係数をどのように設定すれば良いか困っている方もおられるのではないでしょうか?
そこで本記事では、改良地盤の摩擦係数の設定方法を解説します。
目次
地盤改良後の摩擦係数
地盤改良後の摩擦係数について「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針Q & A集」には以下のように記載されています。
設計に用いる摩擦係数μについて敷込み砂利を用いる場合には、同指針p.351に記述されている「粘土やシルトを含まない粗粒土としての値μ=0.55」程度を用いれば良いと考えられます。これは、実大コラムによる水平載荷試験の結果から、載荷板と砕石間の摩擦係数が0.58程度(せん断抵抗角Φが30°相当)であったとの報告とほぼ一致しています。
建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針Q & A集 p.22
ようするに、地盤を改良した場合は擁壁底版と改良体の間にある砕石のせん断抵抗角Φからμを逆算すれば良いということです。
ただし改良後の地盤の摩擦係数の採用については各行政ごとに考え方や上限値が異なる場合があるので、必ず事前協議を行い、審査機関との合意を得ながら進めるようにしましょう。

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