土の強度定数(c、Φ)を求めるために実施する三軸圧縮試験には3種類の方法があります。
具体的には(CD試験、CU試験、UU試験)の3つです。
(※細かく分類するとCU試験はさらに2分割できますがここでは割愛します)
対象土や条件によって試験方法が異なるため、
本記事ではどのような条件の場合にどの三軸試験を用いるのが正しいのかを解説します。
三軸圧縮試験は実際の地中状態を再現した上でせん断強度を求めることがポイントです。
砂・礫の場合はCD試験を実施する。
まずは砂・礫の場合についてです。
砂・礫のような粗粒土の場合はCD(圧密排水)試験を行いましょう。
砂や礫は透水性が高く間隙の水が速やかに排水されるため、間隙の水が排水される条件でせん断強度を求めます。
粘性土・シルトの場合はCU試験またはUU試験を実施する。
次に粘性土・シルトの場合についてです。
粘性土やシルトのような細粒土の場合はCU(圧密非排水)または、UU試験(非圧密非排水)試験を行いましょう。
粘性土やシルトは透水性が低く、間隙の水が排水されにくいため、間隙の水を排水しない状態でのせん強度を求めます。
粘性土やシルトは圧密が進行しすることで強度が増加します。この圧密による強度増加を見込むのがCU、圧密による強度増加を見込まないのがUUになります。
一般的に、CU試験は供用後の長期安定問題、UU試験は盛土施工時の短期安定問題に使用すると説明されます。
ただし、実務上はUU試験を用いることが殆どです。その理由は以下のためです。
- CU試験を実施するには計画盛土形状が試験前に確定している必要がある。
盛土形状の確定していない段階でCU試験を実施することは困難です。
また、試験後の計画変更などに柔軟に対応することができません。 - UU試験のほうが小さい強度が出るため安全側である。
シンプルにUU試験は強度増加が見込まれていないため、求まる強度はCU試験より小さな値になります。 - 圧密計算と組み合わせて増加強度を推定することができる。
別途圧密沈下計算を実施し、供用時点の圧密度を算出すれば強度増加を推定することができるため、
後からでも長期問題に対応させることができます。
(盛土計画の変更にも柔軟に対応できます)
もしもUU試験によって過小な粘着力となり、対策費用等があまりにも不経済となる場合は、別途圧密試験及び圧密沈下検討を実施して強度増加を見込むようにしましょう。
まとめ
以上。本記事では三軸圧縮試験の3つの方法について、それぞれに適用できる対象土や条件を解説しました。
本記事のまとめは以下のとおりです。
- 三軸圧縮試験には大きく分類してCD、CU、UUの3種類がある。
- 砂や礫などの粗粒土にはCD試験を行う。
- 粘性土やシルトにはCU試験またはUU試験を行う。
(実務上はUU試験を実施する場合が多い)
以上。本記事の内容が参考になりましたら幸いです。
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