盛土内に侵入した雨水や地下水を速やかに排除するために、盛土内排水層が必要なことはご存知かと思います。
ただし、盛土内排水層を具体的に図面に示すとなるとどう描いて良いか解らないという方も多いですよね。
そこで本記事では盛土内排水層の設置基準について解説します。
目次
盛土内排水層の設置基準
盛土内排水層には大きく以下の3つがあります。
- 水平排水層
- のり尻排水工
- 地下排水溝
上記のうち、「2.のり尻排水工」や「3.地下排水溝」は現地盤の状況に合わせて配置に念入りな検討が必要なため、本記事では「1.水平排水層」について解説します。
水平排水層と設置基準
水平排水層の設置基準
水平排水層は盛土の小段ごとに設け、その長さは小段高の1/2以上が必要です。
排水層の層厚は30cmメートル以上とし、浸透水の速やかな排出を促すため5~6%の排水勾配を設けることが標準とされています。
また、排水層の材料はその目的から透水性の高いものとしますが、粒径の揃った材料は地震時に液状化などを引き起こすおそれがあるため、なるべく粒度分布の良い(粒径にばらつきのある)材料を用いることが好ましいとされています。

水平排水層の効果
水平排水層には以下の効果があります
- 施工中の間隙水圧の低下
- 降雨による浸透水の排水
- 盛土の滑り面に対する安定性の向上
盛土の崩壊事例を鑑みると、必ずと言って良いほど浸透水が絡んでいるため、安全な宅地を造るためにも盛土内排水層については必ず計画図面に示し、施工業者に共有するようにしましょう。

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